NPO法人 水琴窟フォーラム  第3、4号合併号

長棟造園 長棟州彦氏プロフィール

赤穂雲火焼の復元

造園家長棟州彦さんは父親の代から40年間造園業を営んでおり、茶道・書道・陶芸などを趣味とする。地元に伝わる幻のやきもの「赤穂雲火焼」を復元し、作陶活動に励んでもいる。

常に進化を求め考案することが大好きな技術者で、環境緑化に配慮し開発した木製地下支柱「エコルート」は発明協会の近畿経済産業局長賞を受賞している。

 

鳴り板(甕ぶた)の工夫

長棟さんは水琴窟についても、33年やってきた陶芸の経験を生かし、甕・鳴り板にこだわる。いろんな窯元を訪れ、水琴窟に最適な甕を見つけたという。地上で使う水琴窟は音質だけでなく、甕表面の柄、模様にも遊び心のある甕を使用する必要があるという。

地上型にこだわった理由は他にもある。現代の庭園に残っている水琴窟の多くは、竹筒を耳にあてないと聞き取れない小さな音のものや、メンテナンスができずに音の聴けない状態で放置され、鳴らずの水琴窟となっているもの多い。

 

長棟式水琴窟

そこで長棟さんは、水琴窟を従来のものと違って手軽に現代の庭園に取り付けられればおもしろいと考え研究を重ねた。

こうして従来の水琴窟の欠点を改善し、簡単施工でいつまでも美しい音色が楽しめる長棟式水琴窟を完成させた。長棟式水琴窟の特徴は、大きな水滴を作る鳴り板は、兵庫県の支援を受けて、石・陶器の性質を分析し、飽きのこない落ち着きのあるリズムを奏でるよう工夫をしている。音質は高く澄んだ水琴窟で、音量は竹筒が無くても聴き取れる大きな水琴音が楽しめる。

リズムも飽きのこない落ち着きのあるリズムを奏でるよう工夫されている。

心癒す水滴のリズム、共鳴に優れた水琴窟、赤穂から日本の庭園文化を広めたいと意欲を燃やしている。

 

~水琴音は不眠症の人の役に立ったり、心を落ち着け血圧を下げる効果もありますので医療にも役立てば幸せです~